「1000人殺して何が悪い」。自警団を作って犯罪者を殺害したダバオ市長時代と同じように、力で麻薬犯を一掃するドゥテルテに国民の期待は大きい。「地方の市長から一気に大統領になったドゥテルテ。剛腕で治安を改善し経済を良くする「ダバオ・モデル」を全土に広げようともくろむ。
「今日の奴隷は明日の暴君となる」とフィリピンの国民的英雄、ホセ・リサールが述べた。ドゥテルテ氏はこの説に完全に一致した。現職大統領は皇帝のように振舞うことができてしまったら、当然ながら改革したがらない。その際、改革は次期大統領の役割となる。台湾の元総統、陳水扁も同じである。フィリピンは早急に改憲し、行政・立法・司法・検察の首長をそれぞれ人民が選出する改良式の半大統領制を採用しなければならない。